簡単まとめ

Robertのシニョリッジシェア論文を読んでみる9

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本稿について

Robert SamsのA Note on Cryptocurrency Stabilisation: Seigniorage Sharesを読みます。

今回の範囲は「Solving the Other Problem」の「Exogenous models」です。原文はこちらになります。

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今回のまとめ

  • 外因性のモデルの場合、ネットワーク参加者に真のコイン価格Piが送信するインセンティブを与えてPiがシェリングポイントとなるように誘導する方法が考えられる。参加者が送ってきたPiを統計的に四分位数に分け、閾値圏内のものにコインを付与、圏外のものからはコインを没収するようにすることで、より回答が集中している価格が解となる。
  • ネットワーク参加者が真の価値とは異なる価値を求めている場合も考えられるが、この場合はシェアホルダーのインセンティブを利用すればよい。シェアホルダーのインセンティブはネットワークに伝わるPiが真実であるときに最大化されるので真実と異なる価格をあえて付ける理由がない。

※以下、今回まとめた範囲の和訳になりますので詳細をご覧になりたい方は読み進めてください。

もう一つの問題の解決(Solving the Other Problem)(続き)

外因性モデル(Exogenous models)

外因性の設計に関してこの問題を解くための一つの戦略は"シェリングポイント"のスキームだ。目標は、ネットワークにPiの正確な見積もりを送信するよう人々にインセンティブを与えるメカニズムを持っていることである。

これを実現する一つのメカニズムは、周期的な「シェリング競争(Schelling competition)」があることだ。シェリング競争のメカニズムでは、人が暗号化したPiの見積もりとこのメカニズムの参加費としてF個のコインとをネットワークに送信する。参加のインセンティブは送信されたものを全て集めて復号が終わったあと、見積の分布の四分位数の内側2つ(第1四分位数~第3四分位数)に収まる値を送信した全員が2×F個のコインをもらえることで、一方で四分位数の外側2つ(~第1四分位数、第3四分位数~)の値を送信したものはF個のコインを没収される。従ってインセンティブはコンセンサスがどうなると考えるかにベットすることだ。

ここのアイデアは、コンセンサスがどうなるかに関する"合理的な"期待はどんなものであれ「際立った(salient)」回答に関する周知の事実であるということだ。シェリングポイントは突出性の周知の事実に基づく質的な均衡解である。私たちの文脈では、「真実(truth)」がシェリングポイントとなることが望みである。

この周辺では以前にSams[3]やButerin[2]、Ametrano[1]、あるいは他の者らによりさまざまな提案がなされている。私が気がかりなのはシェリングポイントとして真実を用いるという前提の堅牢性である。例えば競争参加者の多数派が真実とは異なるコンセンサスが好ましいと思っているとして、これが周知の事実であるとしたらどうなるだろうか?このシナリオにおいてどうして真実がシェリングポイントになるだろうか?

シェアホルダーのインセンティブを活用すればよりよくできる。シェアホルダーはシェアPsの価値を最大化したいと思っている。そして、シェアの価値はネットワークに伝わるPiが真実であるときに最大化されるという説得力の高い議論がある。論を示そう。

まず設定を少しばかり簡略化し(恐らく一般性は失わない)、コインの予想需要増をgと呼ぶことにすると、

であり、この等式を変形すると、

となる。

さて、問いは「シェアホルダーがネットワークにPiを表現する力を有している場合、不正直であるインセンティブあるか?」である。ρiをコインインデックスの真の市場価値とし、ϵ = Pi/ρiは不正直さの尺度であるとする。ネットワークにより多くのシェアに入札させるためにコインの価格を大きく見せ、現期間のコインの"分け前"を増やすためにシェアホルダーがϵを大きくするインセンティブがあると言えるかもしれない。

MD(筆者注:恐らくmoney demandのことで、文中ではマネーとコインを同義的に利用していることから、コイン需要を示すCDと同義と思われる)一定であることが成り立つとすれば、このポリシーではコイン価格は誤差の大きさとともに減少し、

となるようだ。これは等式2と3(筆者注:等式2はCD = P × Q、等式3はQi = Qi-1 × Pi/Pi-1)から導かれる。

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