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COSMOSホワイトペーパー日本語訳12

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本稿について

COSMOSのホワイトペーパー、最終更新日: 2018/4/7時点のものを対象とします。本稿では「Related Work」の日本語訳を掲載します。

原文はこちらになります。

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関連研究(続き)

水平的スケーリング

Interledgerプロトコル

Interledgerプロトコル(Interledger Protocol, ILP)[14]は厳密にはスケーラビリティソリューションではない。ルーズに組み合わせた双方向的関係のネットワークを通じて異なる台帳システム間のアドホックな相互運用ができるようにするものである。Lightning Networkのように、ILPの目的は決済を促進することにあるが、とりわけ全くことなる台帳タイプ間の決済に焦点を当てており、アトミックトランザクションのメカニズムをハッシュロックだけでなく公証者の定足数も含まれるように拡張する(Atomic Transport Protocolという)。台帳間トランザクションで原子性を強制する後者のメカニズムはTendermintのライトクライアントSPVのメカニズムと似ていることから、当然ILPとCosmos/IBCとの違いを説明すべきだろう。それを以下に示す。

  1. ILPにおけるコネクタの公証者はメンバシップの変更をサポートしておらず、公証者間の柔軟な重みづけができない。一方でIBCは特にブロックチェーン用に設計されており、バリデータは異なる重みを有することが可能で、ブロックチェーンの途中でメンバシップの変更ができる。
  2. Lightning Networkのように、ILPにおける支払いの受取主はコンファメーションを送信者に送り返すためにオンラインでなくてはならない。IBCでのトークン移転では、受取主本人ではなく受取主のブロックチェーンのバリデータの集団がコンファメーションを送る責任を負う。
  3. 最も際立つ違いはILPのコネクタは決済に関するオーソリティのあるステートを維持する責任がないのに対し、CosmosではハブのバリデータがIBCトークン移転のステートのオーソリティであるとともに、各ゾーンで行われたトークンの量(ゾーン内の各アカウントにより行われたトークンの量ではない)のオーソリティでもあるという点である。これはあるゾーンから別のゾーンへと安全で非対称なトークン移転を実現する根本的なイノベーションである。CosmosでILPのコネクタに相当するものは永続的で極めてセキュアなブロックチェーン台帳であるCosmosハブである。
  4. ILPの台帳間決済は取引所のおーだブックに裏付けられている必要がある。というのも、ILPには一方の台帳から別の台帳へ非対称なコインの移転がなく、価値や市場等価の移転があるのみだからである。

サイドチェーン

サイドチェーン[15]はBitcoinブロックチェーンと"two-way peg(筆者注:双方向ペッグ,2wayペッグ)"された代替的なブロックチェーンを介してBitcoinのネットワークをスケーリングするよう提案されたメカニズムである(2wayペッグはブリッジングと同じである。Cosmosでは市場ペッグと区別するために"ブリッジング"と呼ぶ)。サイドチェーンによりBitcoinはBitcoinブロックチェーンからサイドチェーンへ効率的に行ったり来たりできるようになるとともに、サイドチェーンで新機能を実験できる。Cosmosハブと同様に、サイドチェーンとBitcoinは互いにライトクライアントの役割を果たし、いつコインをサイドチェーンへ出したり戻したりするかを決定するためにSPV証明を用いる。当然BitcoinはPoWを使うので、Bitcoin周りのサイドチェーンはコンセンサスメカニズムとしてのPoWが持つ多くの問題やリスクに悩まされることになる。さらにこれはBitcoin過激派的なソリューションであり、Cosmosが行っているような様々なトークンやゾーン間のネットワークトポロジーのサポートなどはネーティブには行わない。とはいえ、2wayペッグの中心的なメカニズムは原理的にはCosmosネットワークが用いるものと同じである。

Ethereumのスケーラビリティに関する取り組み

Ethereumはスケーラビリティの必要性に対応するため、Ethereumブロックチェーンのステートをシャードするたくさんの戦略を現在調査している。これらの取り組みは現在のEVM(Ethereum仮想マシン)が提供する抽象化レイヤをシャード化されたステート空間全域で維持するという目標を持っている。いま複数の調査が進行中である。

Cosmos対Ethereum 2.0 Mauve

CosmosとEthereum 2.0 Mauveでは設計の目標が異なる。

  • Cosmosは具体的にトークンに関するものである。Mauveは汎用的な計算のスケーリングに関するものである。
  • CosmosはEVMに制限されないので他のVMであっても相互運用可能である。
  • Cosmosはゾーンの作成者に誰がゾーンを検証するのか決めさせる。
  • Cosmosでは誰でも新しいゾーンを始めることができる(ガバナンスが決定する場合を除く)。
  • ハブはゾーンの故障とは無縁であるのでグローバルなトークンの普遍性が約束されている。

汎用的なスケーリング

Lightning Network

Lightning NetworkはBitcoinブロックチェーン(とその他のパブリックブロックチェーン)上のレイヤで稼働するトークン移転ネットワークの提案で、多数のトランザクションをコンセンサスを行う台帳の外部にあるいわゆる"ペイメントチャネル"に移すことでトランザクションスループットをかなりの程度改善できる。これはオンチェーンの暗号通貨スクリプトにより実現される。スクリプトは人が双方向的でステートフルなコントラクトに参加できるようにし、ここでは電子署名の共有によりステートを更新することができ、最終的にはブロックチェーン上で証拠を発行することでコントラクトをクローズすることができる。このメカニズムはクロスチェーンアトミックスワップで初めて有名になった。多くの人の間でペイメントチャネルを開設することで、Lightning Networkの参加者は他者の決済ルーティングの中心点となることができ、ペイメントチャネルに縛られる資金を対価として完全に接続されたペイメントチャネルネットワークを作ることができる。

Lightning Networkは簡単に複数の独立したブロックチェーンに拡張して取引市場を通じて「価値」の移転ができるようになる一方で、ブロックチェーンからブロックチェーンへの非対称な「トークン」の移転に使うことはできない。ここでのべるCosmosネットワークの主な利点は直接的なトークン移転ができるということである。とはいえ、コスト節約とプライバシー上の理由からペイメントチャネルとLightning Networkが私たちのトークン移転メカニズムとともに普及することを期待している。

SegWit(Segregated Witness)

SegWitはブロックごとのトランザクションスループットを2倍、3倍にしつつ、同時に新規ノードのブロック同期をより高速化しようとするBIP(Bitcoin改善提案, リンク参照)である。このソリューションの優れているところはBitcoinの現行プロトコルの制約の中での動作方法とソフトフォークによるアップグレードが可能な点にある(つまり、ソフトウェアが古いバージョンのクライアントでもアップグレード後に動き続けることができる)。新たなプロトコルであるTendermintは設計の制約がなく、従って異なったスケーリングの優先順位がある。主なところでは、Tendermintはマイニングの代わりに暗号署名をベースとするBFTラウンドロビンアルゴリズムを採用する。これは明らかに複数の並行するブロックチェーンを通じて水平的なスケーリングが可能である一方で、規則的でより頻繁なブロックのコミットにより垂直的なスケーリングも可能にする。

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