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COSMOSホワイトペーパー日本語訳11

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本稿について

COSMOSのホワイトペーパー、最終更新日: 2018/4/7時点のものを対象とします。本稿では「Related Work」の日本語訳を掲載します。

原文はこちらになります。

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関連研究

ここ数年でブロックチェーンのコンセンサスとスケーラビリティには多くのイノベーションが生まれた。このセクションでは重要なものを選んでいくつか調査の概要を紹介する。

コンセンサスシステム

古典的なBFT

悪意ある参加者が存在する中でのコンセンサスは1980年代初期まで遡る問題である。このとき、Leslie Lamportは意図された行動から逸脱した任意のプロセス行為を示す"Byzantine fault(筆者注:ビザンチン故障)"という新しい表現を作り出した。これは単純なプロセスの故障を示す"crash fault(筆者注:クラッシュ故障)"と対照を成すものである。メッセージのレイテンシに上限のある同期的ネットワークに関しては間もなくソリューションが見つかったが、実用に関しては原子時計を介して動機が行われる航空機制御やデータセンタなどの強く制御された環境に限定されていた。1/3の任意のプロセス行為までに耐えうる効率的な部分的同期コンセンサスアルゴリズムとしてPBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)が出てきたのは1990年代の後半であった。PBFTはスタンダードなアルゴリズムとなり、多くの類型を生み出した。これにはIBMはごく最近Hyperledgerへの貢献の一部として作り出したものも含まれている。

PBFTに対するTendermintコンセンサスの主な利点はTendermintが改良・単純化された基幹構造を有するということで、そのうちの一部はブロックチェーンのパラダイムを進んで利用した結果である。Tendermintのブロックは順番通りにコミットしなくてはならず、これはPBFTのビュー変更に関連する複雑性と通信のオーバヘッドを未然に防ぐ。Cosmosと多くの暗号通貨では、ブロックN自体がまだコミットされていない時にブロックNii ≥ 1)のコミットをできるようにする必要性はない。ブロックNがCosmosゾーンでコミット完了していない原因が帯域幅にあるのであれば、ブロックN+iを共有するのに帯域幅を利用するのは役に立たない。原因がネットワーク分裂やノードがオフラインであることにあるのであれば、ブロックN+iはいずれにせよコミットしないだろう。

さらに、トランザクションを一まとめにしてブロックに入れてしまうことにより、PBFTのチェックポイントスキームにあるような定期的なダイジェストよりもアプリケーションステートの規則的なマークルハッシュ化ができる。これによりライトクライアントにとってより高速かつ証明可能なトランザクションコミットと、より高速なブロックチェーン間コミュニケーションが可能になる。

Tendermint CoreにはPBFTで仕様化されているものよりをはるかに上回る多くの最適化や機能も含まれている。例えば、バリデータが提案したブロックはいくつかの部品に分割されてマークル化され、ブロードキャストのパフォーマンスを向上させるような方法でゴシップ伝送される(LibSwift[19]から着想を得ている)。また、Tendermint CoreはP2Pネットワークが弱く接続している限りはポイントトゥポイントの接続や機能に関して何らの仮定も置いていない。

Bitshareの委任ステーク

PoS(プルーフオブステーク)を初めてデプロイしたわけではないが、Bitshares1.0[12]はPoS型ブロックチェーンの調査と採用に相当の貢献をしており、特にそれらは"delegated(筆者注:委任)"PoSとして知られている。Bitshareではステークの所有者はトランザクションの整序とコミットの責任を有する"witnesses(筆者注:目撃者たち)"とソフトウェア更新とパラメータ変更の調整の責任を有する"delegates(筆者注:(委任を受けた)代表者)"を選出する。Bitshares2.0は理想的な条件下では高いパフォーマンス(100,000tx/s, レイテンシ1秒)を発揮することを目標とし、各ブロックは一人の署名者によって署名がなされ、トランザクションのファイナリティにはブロック間隔よりもかなり長い時間がかかる。標準仕様はまだ開発中である。ステークの所有者は日々悪意ある行動をする目撃者を除外したり交代させたりすることができるが、目撃者や委任者の明確な担保はなく、重支払い攻撃が成功した場合に担保が削り取られるTendermint PoSとは異なっている。

stellar

Rippleが先駆的に行っていた手法に立脚し、StellarはFederated Byzantine Agreement(筆者注:FBA。適訳がないが、あえて邦訳すると連合ビザンチン合意)のモデルを改良した。FBAではコンセンサスに参加するプロセスは一定のグローバルに認識される集団を構成しない。それよりも各プロセスノードは1つ以上の"quorum slices"をキュレートし、quorum slice一つ一つが信頼されるプロセスの集合を構成する。Stellarにおける"quorum"はノードの集合で、その集合のノード一つ一つがそれぞれ少なくとも1つのquorum sliceを有しているものであり、このようにして合意が形成される。

Stellarメカニズムのセキュリティは任意の2つのquorumの共通集合が空でないという前提に基づく一方で、完全に正しいノードから成るためにノードの利用には少なくとも一つのquorum sliceが必要であり、大きなquorum sliceと小さなquorum slice間でのトレードオフを作り出していて、このトレードオフは信頼について相当の仮定を置かずにバランスを取るのが困難である。最終的にノードはどうにかして十分なフォールトトレランス性(あるいはStellarの論文の結果の多くが依拠している純然たる"intact nodes(完全なノード)")を得るために適切なquorum sliceを選ばねばならず、そのような設定を確実にする戦略は階層的なBGPのようなもの(ボーダーゲートウェイプロトコル)しかない。これはトップティアのISPがインターネット上でグローバルなルーティングテーブルを確立するために用いているものであり、ブラウザがTLS証明書を管理するために用いられているものでもあり、どちらも不安定性で悪評がある。

TendermintベースのPoSシステムのStellar論文における批評はここで述べるトークン戦略で緩和される。atomという新型のトークンが発行され、将来の手数料と報酬の一部に対する請求権を表す。TendermintベースのPoSの利点は、十分かつ証明可能なセキュリティ保証を行いながらも相対的にシンプルであるという点である。

BitcoinNG

BitcoinNGはBitcoinに対する改善提案で、小規模マイナーに偏って大きな影響を与えてしまうなどといった変更にまつわる典型的なネガティブな経済的結果をもたらすことなく、ブロックサイズ拡大などの垂直方向のスケーラビリティ手法を可能にするものである。これはリーダー選出をトランザクションブロードキャストから分離することで実現される。まずリーダーは"key-blocks"においてPoWで選ばれ、その後で新たなkey-blockが見つかるまでの間はコミットするトランザクションをブロードキャストできるというものである。これはPoWレースに勝つのに必要な帯域幅の要件を引き下げるので、小規模なマイナーはもっと公平に競争できるようになり、最新のマイナーがkey-blockを見つけるまで規則的にトランザクションをコミットできるようになる。

Casper

CasperはEthereumに関して提案されたPoSコンセンサスアルゴリズムである。オペレーションの主たる様式は"consensus-by-bet(筆者注:ベットによるコンセンサス)"である。バリデータがその時点までに確認した他者のベットに基づいてバリデータにどのブロックがブロックチェーンにコミットされるかについて繰り返しベットさせることで、最終的にファイナリティをもたらすことができる(リンク参照)。これはCasperチームにより調査が進行中の領域である。難題は進化的安定戦略であることを証明できるベッティングメカニズムを構築することにある。Tendermintと比較したときのCasperの主な利点は"一貫性よりも可用性"を提供できることにあるだろう。コンセンサスは投票パワーの>2/3定足数を必要としないが、もしかするとコミット速度や実装の複雑性が代償となるかもしれない。

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