本稿について
COSMOSのホワイトペーパー、最終更新日: 2018/4/7時点のものを対象とします。本稿では「Issuance and incentives」の日本語訳を掲載します。
原文はこちらになります。
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発行とインセンティブ(続き)
バリデータに対するペナルティ
意図的か非意図的かを問わず、認められているプロトコルからの逸脱に関してバリデータに科される何らかのペナルティがあって然るべきだ。同一ブロック高、同一ラウンドの二重署名や"prevent-the-lock"ルール(Tendermintコンセンサスプロトコルのルール)違反など、即時に適格な証拠として認められる証拠がいくつかある。このような証拠は、準備金プール内のバリデータの一定比率のトークン(まとめて"ステーク"という)が削減されるのと同時に、バリデータの良き地位と担保として入れたatomも失うことにつながる。
バリデータは局地的なネットワーク障害や停電、その他の理由で時々使えなくなる。もし、過去の「ValidatorTimeoutWindow」ブロックの任意の時点でバリデータのコミット投票が「ValidatorTimeoutMaxAbsent」回以上ブロックチェーンに含まれていない場合、そのバリデータは非アクティブになり、ステークの「ValidatorTimeoutPenalty」分(標準では1%)を失う。
ある「悪意ある」行動が明確に識別可能な証拠をブロックチェーン上に残すわけではない。この場合、圧倒的大多数の合意があるならば、バリデータは域外で協力して悪意あるバリデータを強制的にタイムアウトさせることができる。
≥1/3の投票パワーがオフラインになったせいでCosmosハブが中断した場合や≥1/3の投票パワーがブロックチェーンへの参入から悪意あるふるまいの検閲を行う場合、ハブはハードフォークのreorg提案で復元せねばならない。("分岐と検閲攻撃"につながる。)
トランザクション手数料
Cosmosハブのバリデータはトランザクション処理の手数料として任意のトークンタイプやトークンタイプの組合せを受け入れ可能である。各バリデータは「BlockGasLimit」を超えない範囲で自主的に求める交換レートを設定したりトランザクションを選んだりできる。集めた手数料から以下に定義する全ての税を差し引いたものが「ValidatorPayputPeriod」ごと(標準では1時間ごと)に担保に入れたatomに比例してステークホルダーに再分配される。
集めたトランザクション手数料のうち「ReserveTax」(標準では2%)は準備金プールの増加並びにCosmosネットワークのセキュリティと価値を増大させるために準備金プールにいく。これらの資金もガバナンスシステムが行う決定に基づいて分配される。
自身の投票パワーを他のバリデータに委任したatom所有者は委任手数料を委任するバリデータに払う。委任手数料は各バリデータが設定できる。
ハッカーのインセンティブ
Cosmosハブのセキュリティは大本となるバリデータと委任者による委任選択のセキュリティに応じて変化する。脆弱性の発見と早期報告を促すため、Cosmosハブは"This validator got hacked. Please send bounty to this address(このバリデータはハッキングされました。このアドレスに報奨金を送ってください。)と記された"「ReportHackTx」トランザクションを通じて脆弱性を突く攻撃成功をハッカーが公開することを奨励している。このような攻撃があるとすぐにバリデータと委任者は非アクティブになり、全員のatomの「HackPunishmentRatio」(標準では5%)が削減され、全員のatomの「HackRewardRatio」(標準では5%)がハッカーの報奨金アドレスに与えられる。バリデータはバックアップキーを使って残りのatomを復元しなければならない。
この機能が権利付与未済のatomの移動に悪用されてしまうことを防ぐため、「ReportHackTx」トランザクションの前後でバリデータと委任者の権利付与済み対権利付与未済のatomの比率は同じに保たれ、ハッカーの報奨には報酬があるのであれば権利付与未済のatomが含まれる。
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