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Zilliqaポジションペーパー日本語訳2

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本稿について

本稿では、The Zilliqa Project: A Secure, Scalable Blockchain Platformの「B. Why Zilliqa?」の日本語訳を掲載します。

原文はこちらになります。

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B. なぜZilliqaか?

ブロックチェーンのスケーラビリティは、BitcoinやEthereumを将来的にスケールしようとする昨今の計画に見られるように多くの関心を集める逼迫した課題である。

しかし、これらの提案がレガシーのトランザクションを捨てることなく絶えず増加するネットワークサイズにスケールアップできるか否かは明らかでない。最近のBitcoinの分裂を契機に、スケーラビリティを念頭において構築されるゼロからの設計が真にスケーラブルなソリューションには必須であることがいっそうはっきりとしている。

Zilliqaはまさにその設計である。私たちはゼロから設計開発することを選び、そしてスケーラブルでセキュアなプロトコルを中心とするイノベーションを開発・デプロイする新しいブロックチェーンを構築した。

スケーラブルなブロックチェーンに必要な成長を描くために、デジタル広告領域における個別の産業的ユースケースの概要を述べる。これはZilliqaブロックチェーンが実現しうる大スケールな市場機会の一例に過ぎない。

例:ブロックチェーンベースのデジタル広告サプライチェーンの構築

最も基本的な広告サプライチェーンは以下の3つのエンティティを含む。

  1. 広告を介して商品をプロモーションしたいマーケター
  2. 広告を表示するパブリッシャー
  3. 広告のターゲットとなる閲覧者

マーケターはパブリッシャーにお金を払い、ターゲットとなる閲覧者に対して広告を表示してもらう。しかし現実には、デジタル広告のエコシステムには広告代理店やアドエクスチェンジ、アドネットワーク、広告のインプレッションを売買する様々な形式の仲介者等のエンティティが存在する。これらのエンティティはパブリッシャーが広告枠を売ったり(またはオークションにかけたり)マーケターがそれらを購入したりできるデジタルマーケットプレイスを形成する。

現在あるようなデジタル広告エコシステムは問題が蔓延していて、エコシステム内の多くのプレイヤーに悪影響を与えている。例えば仲介者の複数の階層があるせいで、パブリッシャーの収益は無視される一方でデジタル広告のコストは上昇している。さらに近年は攻撃者がインターネットボットを利用して偽のパブリッシャーやユーザを表示しマーケターから数百万ドルを吸い上げており、マーケターは深刻な詐欺に直面している。金銭的な損失を超えて、このような攻撃は広告が配信された場所についてマーケターに完全に誤った確信をもたらしてしまうことにもなる。これはひいてはマーケティングキャンペーンの有効性評価について適切でない判断を招くことになりかねない。ユーザも興味関心のなかったり、過激だったり、安全でない広告を頻繁に受け取るために影響を受ける。これがアドブロッカーの多用を招いて広告ベースのウェブエコノミー全体を不安定にしている。

ブロックチェーンテクノロジにより、スマートコントラクトの形で単純化したサプライチェーンを実装できると予想している。例えば広告を配信したいマーケターは、ターゲットとなる閲覧者のプロファイルや地理的制約、広告配信の時間制約等の広告インプレッションに求められる一般的または特別な要件を定めるためにスマートコントラクトを送信することができる。パブリッシャーやアドネットワークもまたスマートコントラクトを送信して、閲覧者のユーザプロファイルだけでなくパブリッシャーのページコンテクストの観点から異なる特徴を持つ広告枠をバルクで売りに出すことができる。ブロックチェーンに送信されると、マーケターやパブリッシャーからのスマートコントラクトは互いに自動的にマッチングしあって広告コンテンツの配信を実行できる。また、スマートコントラクトは要求インプレッションや別々のパーティ間で合意した通りの決済設定の証拠を記録できる。

このようなブロックチェーンベースの広告サプライチェーンは、透明性とアカウンタビリティのある公正なマーケットプレイスを実現することで現在ある課題の多くを解決する。例えばこのようなデジタルマーケティングプラットフォームでは、めったに広告インプレッションを売買しない仲介者はもう気にしなくてよい。これによりさらにマーケティングキャンペーンのコストは削減され、エコシステム全体をより効率的かつ効果的な実施へと導く。もっと言うと、広告配信・広告インプレッション・決済にまつわる全てのトランザクションがブロックチェーンにより裏付けられていれば、広告インプレッションそれぞれについて誰がその広告を見たのか、どこでトラフィックが途切れたのかといった詳細情報を入手することができる。これはさらに広告プロセスの各ステージの監査証跡も提供でき、マーケティングキャンペーンの成功度合いを正確に測る方法ももたらす。正しいデータを備えていれば、マーケターははるかに高い信頼度で未来の意思決定ができる。中でも特にBATやadChain、AdExなどの現在進行中の取り組みはブロックチェーンでデジタル広告サプライチェーンを運営する計画がある。

しかし、このようなデジタルサプライチェーンが人気を博すにつれて、既存のブロックチェーンプロトコルがサポートするには根本的な限界がある。そのような限界の一覧を以下に示し、Zilliqaがいくつかの技術的発展に裏打ちされた新しいブロックチェーンでいかにこれらの難題に対処するかについて述べる。

  1. 高い取引量:デジタル広告はプラグラム的に実行されるので、供給される広告の数の面でも収集される広告インプレッションの面でも高い取引量を必然的に伴う。オンチェーンのデジタル広告が一般的になれば、毎日数十億の広告と広告インプレッションを処理できなければならない。既存のブロックチェーンプラットフォームでは、たとえ広告関連のトランザクションだけを処理することに全ネットワークを割いたとしてもこれほどのトランザクションを捌ける力をもつものは一つとして存在しない。例を挙げると、現在のEthereumは最大で1日に100万トランザクション、対してBitcoinでは1日に5万トランザクションである。
  2. 並列入札:広告枠のセールはよくオークションプロセスを介して行われる。明らかにオークションは効率的なプロセスであることが求められる。まず、無事にトークンに入札できるまでに長時間待たされるということはあってはならない。これは取引量とボラティリティが高い状況下でさえも該当する。さらに、入札者は効率性を失うことなく売り出し中の複数の広告枠に並行して入札できるべきである。しかし既存ブロックチェーンにおけるデジタルトークンのオークションはここ数ヶ月で惨憺たる様相を呈している。クラウドセールやデジタルトークンのオークションの間、トランザクション取引量は予期できないほど大きなレベルで増加することがしばしばあり、ウォレットサービスは1分にも満たない間に10%から1000%へのスケールを強制される1。今のところブロックチェーン上で行われるこれらのオークション(やクラウドセール)は2つの大きなイベントが同時に行われることがないように注意深く時間調整されている。だが、リアルタイム入札では複数の広告枠がいつも並行してオークションにかけられるのでこのようなことは現実的でない。
  3. 正当性:正当な権利を持つオークションの勝者は望んだ入札価格で広告枠を入手し、その価格は売主に支払れるべきである。既存のスマートコントラクトプラットフォームでは正当性を保証するのは困難だ。入札者は売主を信頼せねばならない。実際、たとえ入札者が誠実だとしても、コントラクトのコードに脆弱性があって正しくないオークションの結果を招く可能性がある。さらに、既存のコントラクトコードは正当性に関して判断するのは難しい。
  4. 公正性:買主も売主もオークションを行う過程で不利益を被らない。前述の特徴と似た理由で、既存のスマートコントラクトコードで公平性を論ずる方法は不明瞭である。

上述の難題はこれが全てというわけでは決してないが、Zilliqaがサポートしようとしている大規模なDappsにはつきものである。さて、それではZilliqaがどのようにこれらの課題に対処するのか示そう。

このようなアプリケーションの成功には効率性が重要であることは明白だ。あらゆるブロックチェーンプラットフォームについて、アプリケーションに伴って発生する多くのトランザクションを処理できるべきである。それができなければ酷いトランザクション詰まりと待ち行列が起こる。その上、基盤のブロックチェーンプロトコルは合意形成のために大量のメッセージ交換が必要になる。パフォーマンスとスケーラビリティに関して厳しい手詰まり状態が起きているにもかかわらず、このようなメッセージ交換は悪意あるノードに対するセキュリティのために必須である。

このような手詰まり状態を解決するため、Zilliqaは巧妙に仕組んだセキュアなネットワークシャーディングスキームを利用する。ネットワークシャーディングは例えば入札リクエストをノードのサブグループに自動的に分けることができるというものである。全てのサブグループは同時に異なる広告枠のオークションを処理できる。また、全サブグループは最終的な入札結果が出るまで別々の入札者からの預金をロックする。こうすることで、このようなアプリケーションのスループットは大幅に改善される。

さらにZilliqaはコンピュテーショナルシャーディングを介してオークションを実行したり参加したりするための非常に洗練された最適化アルゴリズムの計算をサポートする。この点でオークションアプリケーションはノードからなる多数の小規模グループを計算用に構成するようZilliqaに命ずることができる。各グループにはアルゴリズムの一部を計算するタスクが与えられる。例えば多くのグループは異なる行列の乗算に、またあるグループはソートに、残りのグループは集約にといった具合である。各グループ内のノードは個々にタスクを計算して互いにクロスチェックする。Zilliqaではアプリケーションがニーズに基づいてリクエストする通りに別々のセキュリティレベルを強制することができる。

結果の正当性は2つのレベル、すなわちコンセンサスレベルとコントラクトレベルで保証される。コンセンサスレベルでは、全ての誠実なノードが最終的なオークションの割当結果に合意する。これはあらゆる分散型システムに当てはまるものであるが、仮に少数ノードが最終的な決定を下すのであれば、そのシステムは非中央集権性の持つ望ましい特性を全て失うことになる。Zilliqaはいくつかの新しい技法を導入して、ほぼ全ての誠実なノードがネットワーク全体で処理される売り出し希望と入札に関して迅速かつ明確に結論を出すことができるようにプロトコルを発展させる。例えば、効率的な集約署名スキームを開発して非常に敵性の高い環境下でさえもセキュアにしている。そしてこの署名スキームはネットワーク全体でオークションの割当結果に至るのに必要なコンバージェンスタイムを大幅に削減するために用いられる。

コントラクトレベルでは、ZilliqaはScillaという新しい言語を用いる。この言語により簡単な方法でコントラクトの正当性を判断できるようになる[6]。また、Scillaは公正性のようにその他いくつかの特性を署名するのにも有用である。広告サプライチェーンの例に戻ると、このようなスマートコントラクトフレームワークはスマートコントラクト内に成文化されたプロセスがみんなにとって正当でセキュアで公正であることを参加者に対して強く約束できる。詳細に関してはScillaの論文[6]を参照してほしい。

広告サプライチェーンはZilliqaが実現できる多くの高スループットが求められるDappsの一例に過ぎない。その他のアプリケーションについては「Zilliqaが可能とするサンプルアプリケーション」のセクションで論じる。

脚注

1 https://qz.com/1004892/the-bancor-ico-just-raised-153-million-on-ethereum-in-three-hours/

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