本稿について
本稿では、EOS.IOのTechnical White Paper v2のうち「Background」と「Requirements for Blockchain Applications」の日本語訳を掲載します。
原文はこちらになります。
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背景
2008年にBitcoinのラウンチと共にブロックチェーンテクノロジが発表されて以来、アントレプレナーと開発者は、単一ブロックチェーンプラットフォーム上にある広範囲のアプリケーションをサポートできるようにブロックチェーンテクノロジを一般化しようと試みてきました。
多くのブロックチェーンプラットフォームが実用本位のDappsをサポートしようと努めている間に、DEXのBitShares(2014年)やソーシャルメディアプラットフォームのSteem(2016年)などのアプリケーション特化のブロックチェーンが、数万のデイリーアクティブユーザを獲得して非常によく利用されるブロックチェーンになりました。1秒あたり数千のトランザクションまでパフォーマンスを向上させ、レイテンシを1.5秒まで低減し、トランザクションごとの手数料を排除し、既存の中央集権的なサービスでいま提供されているのと同様のユーザ体験を提供することによってこれを達成したのです。
既存のブロックチェーンプラットフォームは、広範なブロックチェーン採用を妨げる巨額の手数料と限定された計算能力に悩まされているのです。
ブロックチェーンアプリケーションの要件
広範囲における利用を獲得するために、ブロックチェーン上のアプリケーションは充分に柔軟で以下の要件に合致するようなプラットフォームを必要としています。
多数のユーザのサポート
eBayやUber、AirBnB、Facebookといった企業と競争するには、数千万のデイリーアクティブユーザに対応できるブロックチェーンテクノロジが必要です。特定の場合においては、ユーザのクリティカルマスに到達しない限りアプリケーションが動作しない可能性があるので、非常に多くのユーザに対応できるプラットフォームが最重要です。
無料利用
アプリケーション開発者は、ユーザに無料のサービスを提供する柔軟性が必要です。すなわち、ユーザがプラットフォームを利用したりそのサービスから利益を得るために支払いをしなくてならないようにはすべきではありません。ユーザが無料で使えるブロックチェーンプラットフォームは、恐らくより広範囲においての採用を獲得するでしょう。そのあとに開発者や事業者は効果的なマネタイズ戦略を作ることができます。
容易なアップグレードとバグ修復
ブロックチェーンベースのアプリケーションを作成する企業は、新機能を取り入れてアプリケーションを改良する柔軟性が必要です。プラットフォームはソフトウェアとスマートコントラクトのアップグレードをサポートしなくてはなりません。
全ての重要なソフトウェアは、最も厳格な形式的検証をもってしてもバグの影響を受けます。プラットフォームは、バグが必然的に発生したときに修復できるくらい十分に堅牢でなくてはなりません。
低レイテンシ
優れたユーザ体験には、数秒以内の遅延での確かなフィードバックが求められます。それよりも長い遅延はユーザにフラストレーションを起こさせるとともに、ブロックチェーンを使わない既存のアプリケーションに対するブロックチェーン上に作られたアプリケーションの競争力を低下させることになります。プラットフォームはトランザクションの低レイテンシ性をサポートすべきです。
順次演算
順序的に依存関係のあるステップのせいで並行処理アルゴリズムを実装することができないアプリケーションがあります。取引所のようなアプリケーションは大きな出来高を処理するための充分な順次演算を必要とします。従って、プラットフォームは高速な順次演算をサポートすべきです。
並行演算
大規模なアプリケーションは複数のCPUとコンピュータに作業負荷を分散する必要があります。
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免責
邦訳には誤りがある場合がございます。予めご承知おき下さい。
確実な情報を知るためには冒頭に示した原文をご参照くださいますようお願いいたします。