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Enigmaホワイトペーパー日本語訳1

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 本稿について

本稿では、EnigmaのWhitepaperのうち「Abstract」と「1 Motivation」の日本語訳を掲載します。

原文はこちらになります。

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Enigma:プライバシー保証の分散コンピューテーションプラットフォーム

概要

(Enigmaは、)データを完全に匿名に保ちながら、異なるパーティが協同でデータを保存し、計算を実行できるようにするP2Pネットワークです。Enigmaの計算モデルは、セキュアなマルチパーティ計算の高度に最適化されたバージョンに基づいており、検証可能な秘密分散法により保証されます。ストレージには、秘密分散データを保持するために改良した分散ハッシュテーブルを使用します。外部ブロックチェーンはネットワークのコントローラとして活用され、アクセスコントロールとアイデンティティを管理し、イベントの不正防止ログとして機能します。保証金と手数料は、システムの運用、正当性、公平性を促進するインセンティブを与えます。ビットコインと同様に、Enigmaは信頼できるサードパーティの必要性を排除し、個人情報の自主制御を可能にします。プライバシーに関する暗号学的な保証に、ユーザは初めてデータを共有することができます。

1 動機

人類史の早期の段階から、中央集権化はメジャーな競争優位性でした。中央集権化された政府を持つ社会は、より先進的な技術を開発し、資源を蓄積し、人口をより速く増やすことができました。社会の進化するにつれて、中央集権化の負の効果が明らかになりました。すなわち、腐敗、不平等、現状維持、権力濫用です。結果、分権化が必要となります。現代では、私たちは中央集権的な支配によるアウトプットと効率の最大化と、分散的なガバナンスのチェックとバランスによる保護のモデル間の均衡を懸命に模索しています。

ウェブの本来の物語は、急進的な分散化と自由の一つと言えます。過去10年間、ウェブの劇的な成長は中央集権化の増加と連動していました。現在では、ウェブの重要な接合点を有する巨大企業はほんの一握りでしかなく、その結果として多くのデータがウェブ上で作られました。これらの組織の透明性とコントロールの欠如は中央集権化の負の側面を再び明らかにしました。すなわち、市場操作、監視、頻繁なデータの侵害です。

ビットコインと他のブロックチェーン(例:イーサリアム)は新しい未来を約束します。今ではインターネットアプリケーションは分散型アーキテクチャで構築することができ、分散型アーキテクチャには誰も絶対的な権力も支配力も持ちません。ブロックチェーンの公共性は、正しい振る舞いをすることに対する強いインセンティブを提供することで、アプリケーションの動作の透明性を保証し、行動の動かぬ記録を残します。ビットコイン通貨はそのような初めてのアプリケーションで、ウェブに新しいパラダイムをもたらしました。

しかし、厳重な検証とブロックチェーンの公共性は潜在的なユースケースを制限してしまいます。現代のアプリケーションは莫大な量のデータを使用し、そのデータに大規模な分析を行います。この制限は、ブロックチェーン上ではフィデューシャリーコードしか動作できないということを意味します。問題は、現代のアプリケーションの最もセンシティブな部分の多くは、プライベートなデータに対して大量の処理を必要とすることにあります。現行の設計ではブロックチェーンは全くプライバシーを取り扱うことができません。さらに言えば、ブロックチェーンは大量の計算にあまり適しているとは言えません。ブロックチェーンの公共性は、プライベートなデータが完全に外部に曝されたブロックチェーン上の全てのフルノードを流れるかもしれないということを指すのです。

この機構には奇妙な矛盾があります。最もセンシティブな、プライベートなデータに限って、中央集権で透明性も低く安全でないモデルで保存・処理されているということです。私たちは、このパラダイムが破滅的な情報漏洩や私たちがオンライン生活の中で受け入れることを余儀なくされているシステマティックなプライバシーの欠如を引き起こしていることを知っています。

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免責

邦訳には誤りがある場合がございます。予めご承知おき下さい。

確実な情報を知るためには冒頭に示した原文をご参照くださいますようお願いいたします。

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