本稿について
本稿では、VergeのBlackpaperのうち「9.Wraith Protocol Use Cases」と「10.Atomic Swaps」の邦訳を掲載します。
原文はこちらになります。
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9.Wraithプロトコルのユースケース
Jessicaの例を見てみましょう。学位の修了が迫った看護学生として、金銭事情はしばしばタイトで流動性のある資産へのアクセスが最も重要です。最近、彼女はクレジットカードでオンラインショッピングをしました。不幸なことに、彼女に落ち度はなかったにも関わらず、彼女のクレジットカードはスキミングされ、Perthの高級ハンドバッグを購入するのに使われてしまいました。彼女のカード会社は払い戻しに合意したものの、それは新しいカードが届く数日前のことでした。この経験で、彼女は金銭のセキュリティは自分自身の責任でなくてはならないということを理解します。彼女はVergeとWraithプロトコルを利用し、Coinpayments.netを通じてお気に入りのeコマースストアに支払いができること、そしてどうやっても支払いが妨げられたり改竄されたりしないことが保証されていることを知ります。彼女は、盗難の心配なく、自身の金銭の運命を掌握していると知って取引を行うことができます。
続いてRandalの例を見てみましょう。アントレプレナーとして、彼は顧客の個人情報とお金を安全に守ることの重要性を強く認識しています。彼はパーキンソン病や認知症などの病気の匿名遺伝子スクリーニングを提供しているので、とりわけ当てはまると言えるでしょう。顧客データの侵害は、彼のビジネスのみならず、顧客の生命をも滅ぼしかねません。典型的な金融ソリューションが、漏洩や侵害が彼のビジネスや顧客に影響しないということについて実際的な保証を提供してはくれないことを理解したああと、彼は取引をするのにVergeを使い始めました。VergeのQTウォレットを介して利用できるステルスアドレスのお陰で、彼は支払いを受け取り、本当に匿名のテスティングサービスを提供するとともに、個人識別可能なデータの侵害リスクを取ることなく命を救うために必要かもしれない情報を人々に提供することができます。
10.アトミックスワップ
アトミックスワップ、別称アトミッククロスチェーントレーディングは、アトミックスワップ機能を有効にした状態で、Vergeと他の全ての流通している暗号通貨との相互運用を可能にします。アトミックスワップは、中央集権的なパーティに頼らずにユーザが異なる暗号通貨をクロストレードできるようにすることによって、ユーザが他者に送金するのと同様の方法で動作します。Vergeはハッシュタイムロックコントラクト(HTLC)としても知られるBIP65のチェックロックタイムベリファイ(CLTV)を実装しているでしょう。HTLCはハッシュロックとタイムロックを使用する支払いのクラスで、支払いの受取主が暗号による証明を生成することによって期限より前に支払いの受領を認めるか、そうでなければ支払いを請求する能力を放棄して支払い主に返却することを必須とします。例えば、両パーティが個別のトランザクションを適切なブロックチェーンに送信するケースを考えます。ユーザAはVergeをVergeのブロックチェーンに、ユーザBはETHをイーサリアムのブロックチェーンに送信します。受取主は秘密のハッシュ(支払いの証明)を明らかにすることによってのみ、このトランザクションを請求することができます。これは、2つの異なるブロックチェーンにまたがって行わるにもかかわらず、両トランザクションはもう一方に紐付けられます。もし受取主が秘密のハッシュを明かさなかった場合は、支払いは没収されて支払い主に返却されます。
ユーザは、Wraithプロトコルを介し、Torネットワークを通じてアトミックスワップを利用することができます。それにより、クロスチェーントランザクションを通じてVergeを送受信しながらIP難読化と個人情報の完全性を維持します。さらに、この実装はクロスチェーントランザクションを可能にするだけでなく、例えばクロスチェーントランザクションやトレーディングの自動実行を可能にするLightning Networkの将来的な実装の道を舗装します。
(次稿に続く)
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