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KyberNetwork Whitepaper 和訳1

更新日:

前置き

本稿は、個人的なメモ書きとして、KyberNetworkのホワイトペーパー(英語版)を和訳するものです。細かい更新が重ねられているようですが、今回和訳するバージョンはv0.8、2017/8/27に更新されたものです。本稿の和訳対象はAbstractから第1章までです。

基本的に原文に忠実に訳しますので、分かりやすい日本語になっていないところも多々あると思います。一部意味の取れないところは意訳したり、原文のままでは複雑すぎると感じる場合は文章を分割したりする場合がありますので、原文を損なっている可能性があります。また、筆者の語学力の問題で翻訳ミスをしている可能性があります。

以上、予めご承知おきください。原本につきましては次に示しますので、ご参照ください。

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KyberNetwork Whitepaper

原本(英語版)はこちらから。

要諦

私たちはKyberNetworkを設計・構築します。KyberNetworkとは、高い流動性をもってデジタルアセット(例.トークン)や暗号通貨(例.イーサリアム、ビットコイン、Zcash)の即時取引や変換を可能にするオンチェーンプロトコルです。KyberNetworkは、トラストレスや非中央集権的な実行、即時取引、高い流動性を含めて、取引所のいくつかの理想的な運営上の特性を実装した最初のシステムとなるでしょう。取引所としての役割に加えて、KyberNetworkは、イーサリアムアカウントが他の暗号トークンからの支払いを簡単に受け取ることを可能にする支払いAPIも提供する予定です。例えば、現在、事業者はKyberNetwork APIを使って顧客が暗号トークンで支払えるようにすることができますが、事業者はイーサリアムや他の好みのトークンで支払いを受け取ることができるでしょう。

イーサリアムネットワーク上で稼働しますが、KyberNetworkのロードマップには、PolkadotやCosmosのようにリレーや将来のプロトコルを利用して異なる暗号通貨間のクロスチェーン取引をサポートすることが含まれています。イーサリアムアカウントは、このトラストレスな支払いサービスを通じ、私たちの支払いAPIを経てビットコインやZcash、他の暗号通貨からの支払いを安全に受け取ることができるようになるでしょう。

KyberNetworkクリスタルと選択した暗号通貨の利用者がボラティリティのリスクに曝されてしまうことを和らげるために、デリバティブが導入される予定です。

1.イントロダクション

ビットコインやイーサリアム、その他の暗号通貨の発生は、近年、牽引力を増しています。なぜなら、それらは利用者が自身のデジタルアセットをサードパーティに頼ることなく非中央集権的でトラストレスなモデルの中で処理したり管理したりすることを可能にするからです。さらに興味深いことは、チューリング完全でトラストレスなスマートコントラクトを有するイーサリアムネットワークは、人々が彼ら自身の暗号トークンを発行し、電子化することを容易にしたことです。それらの暗号トークンは、何らかの現実世界の資産を表すか(例.Digix Goldトークン)あるいは何らかのプラットフォーム内に価値を有し(例.GolemNetworkトークン、Gnosisトークン、Augurトークン等)ています。今日までに、最も人気のある暗号通貨資産の時価総額は720億USドルとなっています。時価総額は過去5ヶ月で3倍になり、なお成長を続けています。

1.1.動機

1.1.1. 中央集権のリスク

ブロックチェーン市場が成長しさらに暗号アセットが生み出されるにつれて、暗号トークン間の変換や交換のニーズは増しています。例えば、主要取引所においてイーサリアム-ビットコインの出来高は日に何億ドルにも及びます。イーサリアム-暗号トークンの当該暗号トークンネットワーク上での出来高も、ほとんどのネットワークはできてから2年も経っていませんが、数百万ドル相当になっています。しかし、非中央集権性やトラストレスといった暗号通貨や暗号トークンの性質にもかかわらず、中央集権的な取引所で行われるほとんどの取引は、取引所内部での詐欺や外部からのハッキングに対して脆弱です。これは現在進行中の関心事であり、たくさんのハッキング事件が様々な取引所で報告されています。そして、何千もの人々に影響を与え、何億ドルもの損失を出しています。

1.1.2. 即時取引の欠如

中央集権的な取引所や分散型取引所も含めて現存する取引所はしばしば、資金を引き出す前にユーザに数分待つよう要求してきます。

1.1.3.現存する分散型取引所の問題

分散型取引所を構築する取り組みはイーサリアムネットワーク上のいくつかのパーティによって行われています。これらのパーティは非中央集権的でトラストレスな取引所を構築しましたが、注文が生成されるときとブロックに取り込まれるときに遅延があるため、外部からの操作に対して脆弱です。

現存する分散型取引所がよりよいセキュリティ面での特徴を備えているにもかかわらず期待していたよりも人気がないのは、他にも考えられる理由があります。これらの取引所はブロックチェーン上に利用者のオーダーブックを保持しています。結果として、指値注文の調整やキャンセルが一般の利用者に対して高くついてしまいます。注文の修正の繰り返しは問題を悪化させ、売買注文が成立するまでコストが高くなっていきます。

いくつかの取引所は価格発見と交渉のプロセスを仲介者を通してオフラインで済ますことによってこの問題を解決しようと思っています。両者が取引レートに合意したあとに限り、取引はオンチェーンでなされます。これは、取引における最良の相手を見つける役割を担う仲介者を信頼することの問題が生じます。私たちはまた、手数料のない注文は敵対的なシビルアタックやDoS攻撃の影響を受けやすいことにも注意をしなくてはなりません。

1.1.4.多数のデジタルアセットを所有することの問題

ICOの数が増えるにつれて、新しい暗号トークンの導入も増加します。論理的に考えて、投資家は投資戦略の一部として希望する様々な種類の暗号トークンを取得するでしょう。あるトークンから別のトークンへの兌換性は、投資家とオペレーターの両者にとって新たな挑戦を意味します。例えば、展開済みのコントラクトが支払い形式として新たな暗号トークンを受け入れることができるようにすることは、あらゆるパーティにとって挑戦となるでしょう。

また、それは、実装上のバグやセキュリティ上の欠陥のさらなる余地をもたらします。例えば、最近のDAOトークンのICOでは、同額の寄付にも関わらず、イーサリアムの寄付者よりもSNGLSの寄付者に多くのトークンを配布してしまうという重大なバクがありました。従って、ネットワーク内のトークンホルダーや事業者、ユーザにとって支払手続きを単純化する必要があります。

1.2.KyberNetwork

KyberNetworkについて紹介します。KyberNetworkは、いくつかの役立つアプリケーションを提供するオンチェーンの分散型取引所で、実戦的な取引所の構築や、事業者や利用者が難なくトラストレスに暗号トークンをすぐに変換できる支払いAPIの提供も含みます。オーダーブックはありません。利用者はトランザクションを送る前に交換レートが分かり、一致する額を受け取ります。利用者はいかなる追加の手数料も支払いません(トランザクションのgasを除く)。KyberNetworkは交換レートに合理的なスプレッドをつけることを通して利益を得ています。

利用者は保有しているトークンAを、トークンBに変換することで、トークンBでのみ支払いを受け付けている別の利用者に対して送ることができます。これは全て一つのトランザクションで完結します。さらに面白いことに、KyberNetworkは新しい標準コントラクトウォレットを導入し、僅かなトークンしか受け付けない既存コントラクトが一切コントラクトコードを変更することなく将来のトークンでの支払いを受け付けることができるようにします。このことは、コントラクトや事業者がより広範囲の利用者にアクセスできるようにし、KyberNetworkがサポートするトークンで支払いや寄付金を受け取れます。

KyberNetworkの設計は、これら全てのアプリケーションをサポートするために、いくつかの新手の構造をしています。

  • グローバルオーダーブックを保持する代わりに、私たちは取引所の流動性を保つために適切な量の暗号トークンを有する準備金の貯蔵庫を保持します。準備金はKyberコントラクトによって直接コントロールされます。そしてKyberコントラクトには、全ての準備金から取ってくることにより、トークンの交換ペアそれぞれに対して交換レートがあります。交換レートは準備金マネージャーによって頻繁に更新され、Kyberコントラクトは利用者にとって最も良いレートを選択します。トークンAをトークンBに変換するというリクエストが届くと、Kyberコントラクトは正しい額のトークンAが貸方のコントラクトに記入されたかをチェックし、それから送り手のアドレスに一致する額のトークンBを送ります。トークンAは、手数料を取った後、トークンBを提供した準備金に入れられます。
  • 私たちはいくつかの興味深いアプリケーションを利用可能にするため、新しい標準コントラクトウォレットを導入します。特に、利用者のために、新しい標準コントラクトウォレットは、Kyberコントラクトが利用者の新規に変換したトークンを彼らの宛先アドレスに送ることを可能にします。宛先アドレスは、Kyberコントラクトからではなく送り手から変換したトークンが送られたかのように当該トークンを受け取ります。
  • 私たちの長期プランには、イーサリアム上で効率的なZcashリレーを構築するためにEVM(Ethereum Virtual Machine)言語の将来的な特徴を使うことも含まれています。イーサリアム上のZcashリレーは、私たちがイーサリアム-Zcash間のクロスチェーン取引をサポートできるようにします。私たちはまた、さらなるクロスチェーン取引と支払いができるよう、PolkadotやCosmosのような将来のプラットフォームを活用します。
  • Kyberコントラクトは拡張性にフォーカスして設計されており、よくモジュール化されたコンポーネントを有します。特に、私たちはダイナミックに新しいトークンを追加したり、既存のトークンを除外したりすることができます。従って、将来私たちはあらゆるトークンやデジタルアセットと連携することができます。

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