簡単まとめ

Bitcoin-NG論文を見てみる8

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本稿について

様々なブロックチェーンにインスピレーションを与えているプロトコルBitcoin-NG(Bitcoin Next Generation)の論文を見ていきます。本稿では「5. Security Analysis」の5.2の前半を見ます。

原文はこちらになります。

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今回のまとめ

  • リーダーの秘密鍵を入手した攻撃者が実行する攻撃のインセンティブから考えて、ポイズントランザクションはBitcoin-NGに新しい脆弱性を生じさせるものではない。
  • リーダーの権限がそのエポックのみに限定されることに鑑みて、高頻度でマイクロブロックが生成されることによって検閲耐性が低下することはない。
  • ディフィカルティ調整や相場変動(マイニングしているチェーンだけでなく、他チェーンの変動も関連する)によるマイニングインセンティブの変化によるマイニングパワーの変動(特に低下)はBitcoin-NGでも問題である。
    • ただし、影響を受けるのはキーブロックのみである。問題の内容としては、キーブロックの生成が遅くなることで検閲耐性が低下することが挙げられる。
    • 一方でマイクロブロックの生成速度は変化せず(トランザクションの処理速度は変わらず)、悪意あるマイナーがリーダーとなる時間の割合もそのハッシュパワーに比例する。

※以下、今回まとめた範囲の論文和訳になりますので詳細をご覧になりたい方は読み進めてください。

5. セキュリティ分析(続き)

5.2 その他の懸念

ウォレットセキュリティ

ポイズントランザクションを配置できるということは、リーダーの秘密鍵を入手した攻撃者がリーダーの収益を遡って取り消し、小額を得ることが可能ということだ。しかし、このような攻撃者は秘密鍵が使えるのであればリーダーの収益全体を盗もうとする方がよく、ポイズントランザクションの導入は特段の脆弱性を混入させるものではない。

検閲耐性

Bitcoinの中心となる目標は悪意を持って選別するマイナーがユーザのトランザクションを欠落させてしまうのを防ぐことだ。Bitcoin-NGの高頻度のマイクロブロックによって検閲耐性が影響を受けることはない。

まず、リーダーの絶対的な権限はリーダーをしていられるエポックに限られるという点を押さえておきたい。悪意あるリーダーはマイクロブロックにトランザクションを配置しないことでDoS攻撃を実行できる。同様に、リーダーをしていられるエポックの間クラッシュしている無害なリーダーはマイクロブロックを発行できない。これらのリーダーの影響力が続くのは、次のリーダーがキーブロックを公開するまでである。従って、このようなふるまいの影響は、ノードが空のブロックをマイニングするかもしれないけれどもめったにそんなことはしないBitcoinと同様である。

誠実な多数派がいてバックログがないと仮定すると、ユーザは自身のトランザクションを誠実なマイナーが生成した最初のブロックにおいてもらうことになる。少なくとも3/4のブロックは誠実なマイナーにより生成されるので、ユーザは平均で4/3ブロック、あるいは13.33分待つ必要がある。キーブロックの間隔は、他指標の許容不可なほどの悪化を招かずにネットワークが実現できる最小限まで検閲を減らすレートに設定することができる。

マイニングパワーの変動に対する耐性

Bitcoinの成功に続いて数百の代替暗号通貨が作られた[57]。それらの大半はBitcoinと一緒のブロックチェーン構造で、多くが同一のプルーフオブワークメカニズムである。ブロックの安定的な速度維持のため、ブロックチェーンの異なるインスタンスがプルーフオブワークのディフィカルティを異なるレートでチューニングする。それは、Bitcoinでは2016ブロックで約2週間ごとであり、Litecoinでは2016ブロック(より高速に生成される)で約3.5日ごと、Ethereum[56]はブロックごとで約12秒である。しかし、どの調整レートが選択されるにせよ、これらのプロトコルはすべからく突然のマイニングパワーの低下に敏感である。このようなマイニングパワーの低下が発生するのは、マイナーにとってマイニングしている暗号通貨の交換レートの低下のせいでマイニングを止めるインセンティブがあるか、マイニングのディフィカルティや交換レートの変動のおかげでより収益性の高くなった別の暗号通貨をマイニングするインセンティブがある場合である。このような変動は特に小さなアルトコインでは問題である。価格が上昇すればマイニングパワーの急上昇を見せるが、ディフィカルティが上がればその後マイニングパワーは低下する。そしてディフィカルティが高いために残留するマイナーは次のブロックの生成により多くの時間がかかってしまう。時としてそれは数桁ほど多くの時間を要する場合もある。

Bitcoin-NGでもディフィカルティ調整は似たような問題を生み出す。しかし、それはキーブロックだけにしか影響しない。マイクロブロックは同じ一定のレートで生成される。その結果、突然マイニングパワー低下が発生した場合、キーブロックはまれにしか生成されないためBitcoin-NGの検閲耐性は低下する。悪意あるマイナーがリーダーになれば、誠実なリーダーがキーブロックを見つけるまでマイクロブロックを生成するだろう。それでもなお、マイクロブロックではトランザクション処理が同じ速度で続く。さらに、ディフィカルティが正常値にチューニングされるまでの間を見た場合でも、悪意あるマイナーがリーダーである時間の比率はそのリーダーのマイニングパワーに比例するままである。

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