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Liquidホワイトペーパー日本語訳2

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本稿について

BlockStream開発のLiquid(Strong Federations)のホワイトペーパー、最終更新日: 2017/1/6時点のものを対象とします。本稿では「II. Strong Federations as a General Solution」の日本語訳を掲載します。

原文はこちらになります。

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2. 全般的なソリューションとしてのStrong Federation

第1章のAで述べたように、プルーフオブワークに基づくコンセンサスメカニズムはレイテンシの問題が入り込む。しかし、中央集権的なシステムへという動きはそれ自体が大きなリスクである。これらの問題と戦うため、この論文はBackらにより発表された"Federated Pegs(連合ペグ)"[22]という設計の上に成り立つ。Federated PegsはBitcoinとサイドチェーン間のアセットの双方向移動の手法である。図2に示すように、サイドチェーンはトランザクション内で所有の明確な証明を提示することでブロックチェーン間のアセット移動を可能にする並列なネットワークである。

A. サイドチェーン

サイドチェーンはユーザが他のブロックチェーンにアセットを双方向的に移動できるようにするブロックチェーンである。ざっくりと言うと、これらの移動はアセットを一方のチェーンのトランザクションにロックして利用不可能にしたうえで、サイドチェーンでロックしたアセットを表すトランザクションを作成することで実現する。実質的に、これはアセットを親チェーンからサイドチェーンへと移動する。動作は次の通りである。

  1. ユーザは特別なアドレスに自身のアセットを送信する。このアドレスはサイドチェーンがアセット返還のシグナルを発するまでアセットを凍結するために設計されたものである。
  2. federated pegの"in"方向のチャネルを使ってユーザはサイドチェーン上に情報を埋め込む。この情報は、メインチェーンではアセットを凍結済みであるからサイドチェーンでアセットの利用を求めるという趣旨のものである。
  3. 等価なアセットがサイドチェーン上でアンロックあるいは生成されるので、ユーザはサイドチェーンのルールの下で取引に参加できる。サイドチェーンのルールは親チェーンのルールと異なっていてもよい。
  4. ユーザが"out"方向のチャネルを利用してアセットを一部でも戻したいと思ったら、メインブロックチェーン上のアウトプットを表す情報をサイドチェーンに埋め込む。
  5. Strong Federationはトランザクションが発生したことについて合意を形成する。
  6. 合意形成後、federated pegはそのアウトプットを生成し、メインブロックチェーン上の凍結されていたアセットを解除してサイドチェーンで意図されたとおりに割り当てる。

B. Strong Federationによるサイドチェーン改善

Bitcoinはブロックに対する署名する一つの方法を与えている。マイナーと呼ばれる動的な署名者セットを利用したDMMS(Dynamic Membership Multiparty Signature, 動的メンバーシップマルチパーティ署名)[22]の使用である。動的セットはBitcoinに本来的に存在するレイテンシ問題を取り込んでしまう。連合モデルは別のソリューションを提供する。このモデルでは定数の署名者セットを用い、DMMSは旧来のマルチシグスキームに置き換えられる。ブロックチェーンの延伸に必要な参加者数の削減はシステムの速度とスケーラビリティを高めつつ、全参加者によるバリデーションはトランザクションの完全性を確保する。

Strong Federationは連合サイドチェーンで、連合のメンバはメインチェーンとサイドチェーンの間でプロトコルアダプタとしての役割を担う。本質的には、メンバーは一緒になっていわゆるビザンチンロバストなスマートコントラクトを形成する。Strong Federationにおいては、秘密鍵を知っていることは何らのサードパーティのパーミッションがなくても"使用権(right to spend)"の十分条件であり、システムは万一連合が完全に失敗した場合には親チェーンへ払い戻しができるメカニズムを持つ。コード更新はオープンかつ監査可能で威圧的な行動があった場合には拒否できるだけでなく、システムのステートはその変更不能性を維持する信頼できるログを一貫して提供する。最も重要なことは、連合のメンバーは自分自身を以外のユーザのシステム内のお金を直接コントロールすることはできないということである。

Strong Federationのネットワーク運営者は2種のファンクショナリー(functionaries)から成る。ファンクショナリーは特定条件が満たされる場合に定義されたオペレーションを機械的に実行するエンティティである[23]。セキュリティ向上のため、然るべきオペレーションは攻撃のダメージを限定するためエンティティ間で分割される。ファンクしょなりてぃはブロックチェーン間のアセット移動をコントロールする力と、サイドチェーンのコンセンサスルールを強制する力を有する。次章ではさらになぜこのような責任の文有が重要であるのかを説明する。2種のファンクショナリーは次の通りである。

  1. ブロック署名者(Blocksigners):サイドチェーンでトランザクションのブロックに署名し、コンセンサスの履歴を定義する。
  2. 警備員(Watchmen):メインチェーンでトランザクションに署名することで、サイドチェーンから出ていくアセットの責任を負う。

この2つの構成要素は独立していてよい。ブロック署名者はブロックチェーンコンセンサスを形成してサイドチェーンの台帳を進めなければならない。これはプロトコルに従って行うが、次章で説明する。警備員はアセットの移動がブロックチェーン間で行われる際にオンラインでいることだけが必要だ。極端な例だが、予め承認されてたインバウンドとアウトバウンド両方のトランザクションのバッチを確定するために一日に一度だけ警備員がオンラインになるスキームを想像するとよいだろう。

これら2つの機能は分離されていて専用の堅牢なボックスにより実行され、そのオペレーションに必要な秘密鍵の所有者により設定される。ネットワークのエレメント間のインタラクションを図3に示す。ブロック署名者と警備員で、前者のみがブロックコンセンサスを形成しなけばならない。これはプロトコルに従って行うが、次章で説明する。

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