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ZILLIQAテクニカルホワイトペーパー日本語訳1

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本稿について

本稿では、The ZILLIQA Technical Whitepaper Version0.1の「Abstract」と「I. INTRODUCTION」の日本語訳を掲載します。

原文はこちらになります。

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Zilliqaテクニカルホワイトペーパー

Version 0.1, 2017/8/10, The ZILLIQA Team

Website; www.zilliqa.com

Mail; enquiry*zilliqa.com 7

Twitter; @zilliqa

要諦

既存の暗号通貨とスマートコントラクトプラットフォームにはスケーラビリティの問題があることが知られている。つまり、1秒あたりに処理可能なトランザクション数には限界があって、通常10以下である。パブリックな暗号通貨やスマートコントラクトプラットフォームを利用するアプリケーション数の増加につれて、数百・数千Tx/sほどの速度で高速にトランザクションを処理することの需要も増している。

この研究で、我々はZILLIQAを紹介する。ZILLIQAはトランザクション処理速度のスケーリングのために設計された新しいブロックチェーンプラットフォームである。ZILLIQAのマイナーの数が増加するにつれて、トランザクション処理速度も高速化することが見込まれる。Ethereumの現行のネットワークサイズである30000マイナーで、ZILLIQAはEthereumのトランザクション処理速度の約1000倍で処理できると思われる。ZILLIQAの設計の土台となっているアイデアはシャーディング(sharding)である。シャーディングはマイニングネットワークをトランザクションを並列処理できる機能を持ついくつかの小さなシャードに分割するというアイデアである。

さらにZILLIQAは、基盤となるアーキテクチャを利用して大きなスケールと非常に効率的なコンピュテーションプラットフォームをもたらすイノベーティブな特定目的のためのスマートコントラクト言語と実行環境を提案する。ZILLIQAにおけるスマートコントラクト言語はデータフロープログラミング(dataflow programming)スタイルに準拠しており、容易に並列処理可能な稼働中のスケールの大きな計算処理にとってZILLIQAを理想的なものにする。例として、検索やソート、線形代数計算のような単純なコンピュテーションからニューラルネットのトレーニングやデータマイニング、フィナンシャルモデリング、科学的計算、一般的なあらゆるMapReduceタスクなどの複雑なコンピュテーションがある。

1. はじめに

暗号通貨とスマートコントラクトプラットフォームは共有のコンピュテーションリソースになっている。ある面ではこれらのプラットフォームを数千を超える個々のコンピュータを同期する新世代のコンピュータとして捉えることができる。しかし、既存の暗号通貨とスマートコントラクトプラットフォームには広く認知されているスケーリング上の制約がある。Bitcoin[1]やEthereum[2]、他それらに関連する暗号通貨の平均トランザクション処理速度は毎秒10トランザクション(10Tx/s)以下(通常およそ3~7Tx/s)に留まっている。パブリックな暗号通貨やスマートコントラクトプラットフォームを利用するアプリケーション数の増加につれて、数百・数千Tx/sほどの速度で高速にトランザクションを処理することの需要も増している。グローバルな決済ネットワークは数万Tx/sの性能を要するだろう。それほどのスケールで処理する能力を持つ非中央集権的かつオープンなブロックチェーンを構築することができるだろうか。

既存プロトコルのスケールアップにおける制限はある程度根本的なものである。それらはコンセンサスとネットワークプロトコルの設計に根差している。従って、BitcoinやEthereumの既存プロトコル(例:ブロックサイズ、ブロックレート)のパラメータを再調整はいくらかの高速化を実現するのだとしても、数千Tx/sの処理を要するアプリケーションをサポートするにはゼロから基盤プロトコルを再考しなければならないのである。

我々はZILLIQAを紹介する。ZILLIQAはトランザクション処理速度のスケーリングのために設計された新しいブロックチェーンプラットフォームである。ZILLIQAのマイナーの数が増加するにつれて、トランザクション処理速度も高速化することが見込まれる。厳密には、ZILLIQAの設計によりネットワークに数百ノードが加わるごとにトランザクション処理速度をだいたい2倍にすることができる。本ホワイトペーパーの執筆時点で(筆者注:2017/8時点で)Ethereumマイニングネットワークは30000ノードを超えている。Ethereumの現行のキャパシティで、ZILLIQAはEthereumの約1000倍のトランザクション処理速度が期待できる。

ZILLIQAは始めから再設計したもので、2年超にわたる研究・開発に基づいている。ZILLIQAの設計の礎はシャーディングというアイデアである。シャーディングはマイニングネットワークをトランザクションを並列処理できる機能を持ついくつかの小さなシャードに分割する。ZILLIQAのマイニングネットワークが例えば8000マイナーだとすれば、ZILLIQAは信頼できる調整者を介さずに非中央集権的な方法で自動的に800マイナーずつ10のサブネットワークを作る。1つのサブネットワークが例えば1タイムエポックで100トランザクションのまとまりに合意できるとすれば、10個のサブネットワークは合計で1000トランザクションに合意できる。安全に集約するのに重要なことは、サブネットワークが確実に二重支払いなく異なるトランザクションを(重複なく)処理することである。

前提は既存のブロックチェーンベースのソリューションと似ている。ZILLIQAではマイニングネットワークはごく少数の悪意あるノード/アイデンティティがおり、合計のコンピュテーションパワーはネットワーク全体のうちの僅か(< 1/4)であると仮定している。これは標準的なプルーフオブワークスキームに基づいているが、新規に2レイヤのブロックチェーン構造を持つ。この構造はシャードの処理に関して高度に最適化された混戦差アルゴリズムを特徴付けるものである。

さらに、ZILLIQAは基盤を成しているアーキテクチャを利用して大きなスケールと非常に効率的なコンピュテーションプラットフォームをもたらすイノベーティブな特定目的のためのスマートコントラクト言語と実行環境が付いている。ZILLIQAにおけるスマートコントラクト言語はデータフロープログラミングスタイルに準拠しており、ここではスマートコントラクトを有向グラフで表現できる。有向グラフ中のノードはオペレーションかファンクションで、一方2つのノードの間のアークは片方からのアウトプットともう一方へのインプットを表現する。ノードは自身の全インプットが有効になるとすぐにアクティベートされる(または操作可能になる)ので、データフローコントラクトは本質的に並列でZILLIQAのような非中央集権型システムに適している。

シャードに分割されたアーキテクチャは、容易に並列処理可能な稼働中のスケールの大きな計算処理にとって理想的である。例として、検索やソート、線形代数計算のような単純なコンピュテーションから、中でもニューラルネットのトレーニングやデータマイニング、フィナンシャルモデリング、科学的計算、MapReduceタスクなどの複雑なコンピュテーションがある。

この資料はZILLIQAのブロックチェーンプロトコルの技術的な設計の要点を説明する。ZILLIQAには6つのレイヤ、つまり暗号理論レイヤ(セクション3)、データレイヤ(セクション4)、ネットワークレイヤ(セクション5)、コンセンサスレイヤ(セクション6)、スマートコントラクトレイヤ(セクション7)、インセンティブレイヤ(セクション8)がある。異なるレイヤの説明をする前に、まずシステムの設定、根本にある仮定、脅威モデルについてセクション2で述べる。

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