本稿について
本稿では、Tendermint: Consensus without Miningのうち第7章「Optimization」、第8章「Conclusion」、「References」の日本語訳を掲載します。
原文はこちらになります。
※Tendermintホワイトペーパーの翻訳は第5回までで終了しますが、未完の部分があったり説明が簡潔過ぎると感じる部分があります。2016年6月にTendermintのCTOであるEthan Buchmanが発表している詳細な論文があるので、後日その論文からいくつか仕組み的に重要そうな部分を抜粋して翻訳するかもしれません。
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7.最適化
7.1 スパース署名セット
これまで述べたプロトコルは理論的に実現可能だが、実際には、計算機やストレージ、ネットワークの限界を考えなくてはならない。できる限り多くのバリデータノードを許容したいと考えているが、毎ブロックに各バリデータの署名を入れるのはコストがかかりすぎるだろう。
(TODO: Describe sparse signature set as DMMV)(筆者注:このセクションは未完のようです。)
7.2 バリデータのタイムアウトへの対処
バリデータは様々な理由でオフラインになるので、ネットワークはバリデータの移り変わりに適応すべきである。連続してY個(1 ≤ Y << 「担保解除期間」)のブロックに署名していないバリデータはタイムアウトしたとみなされ、「暗黙的に担保解除(be implicitly unbonded)」される。バリデータがスタガ方式で入れ替わる限り、アクティブなバリデータの集合は移り変わる参加者の集合に関するアカウントに順応できる。一時的にオフラインになる必要があるバリデータにはタイムアウトするのではなく「明示的担保解除トランザクション(explicitly unbonding transaction)」にしょめするインセンティブがあると思われるので、これによりアクティブなバリデータの集団は速やかに順応できるようになる。例えば、タイムアウトをすると担保として預け入れているコインの量に比例して小額の罰金がかかるようにするとか、手数料を得る前に数個のブロックに参加しないといけないようにするなどが考えられる。あとからでも、(明示的であろうが暗黙的であろうが)担保解除したバリデータは担保解除期間が過ぎる前に別の担保トランザクションを送ることで、もう一度アクティブな状態になることができる。
7.3 高速なブロック伝搬
(TODO: Describe lib-swift used for broadcasting blocks)(筆者注:このセクションは未完のようです。)
8.結論
Tendermintはすごい!未来はいま作られる!
(筆者注:実際に結論は「Tendermint is awesome. The future is now.」とだけ書かれています。 )
参考文献
- S. Nakamoto, “Bitcoin: A peer-to-peer electronic cash system,” 2008. [Online]. Available: http://bitcoin.org/bitcoin.pdf
- NXT Whitepaper,” 2014. [Online]. Available: https://wiki.nxtcrypto.org/wiki/Whitepaper:Nxt#Proof_of_Stake
- “BitShares Delegated Proof of Stake,” 2014. [Online]. Available: https://github.com/BitShares/bitshares/wiki/Delegated-Proof-of-Stake
- C. Dwork, N. Lynch, and L. Stockmeyer, “Consensus in the presence of partial synchrony,” Journal of the ACM, vol. 35, no. 2, pp. 288–323, 1988.
- J. A. Kroll, I. C. Davey, and E. W. Felten, “The Economics of Bitcoin Mining or, Bitcoin in the Presence of Adversaries,” Workshop on the Economics of Information Security, 2013.
- I. Eyal and E. G. Sirer, “Majority is not Enough: Bitcoin Mining is Vulnerable,” 2014.
- R. Merkle, “Protocols for public key cryptosystems,” Proc. 1980 Symposium on Security and Privacy, pp. 122–133, April 1980.
- Wikipedia, “Bitcoin Days Destroyed,” 2011. [Online]. Available: https://en.bitcoin.it/wiki/Bitcoin_Days_Destroyed
- M. J. Fischer, N. A. Lynch, and M. S. Paterson, “Impossibility of distributed consensus with one faulty process,” Journal of the ACM, vol. 32, no. 2, pp. 374–382, 1985.
- M. Correia, G. S. Veronese, N. F. Neves, and P. Verissimo, “Byzantine consensus in asynchronous message-passing systems: a survey,” International Journal of Critical Computer-Based Systems, vol. 2, no. 2, pp. 141–161, 2011.
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