本稿について
本稿では、The Golem ProjectのCroudfunding Whitepaper final versionのうち「Overview of the Golem Project」の「Resilience」の日本語訳を掲載します。
原文はこちらになります。
耐性
Golemは完全に分散型で、検閲耐性のあるオープンソースP2Pネットワークであり、単一障害点とは無縁です。
コンセンサスは耐性のため重要であるとともに、なぜEthereumがトランザクションに役立ち、分散ステートとメタデータの複製をするのかを説明するもう一つの理由でもあります。Golemのタスクは、デプロイ、タスク実行、検証、トランザクションに関する完全性とコンセンサスメカニズムに依拠します。当然、GolemはEthereumからビザンチン・フォールトトレラント性を継承するわけです。タスク実行と検証に関して、Golemは始めのうちは冗長な検証とEthereumのステートに頼ることになるでしょう。研究と開発が進むにつれて、最適化が行われてコストは下がり、スループットは上がり、耐性は改善されるでしょう。最適化により、完全性とコンセンサス検証スキーム、P2Pネットワーク構成、非同期トランザクション、オフチェーンステートトランザクションの改善がもたらされるでしょう。
GolemのP2Pネットワークは、devp2pプロトコルシリーズの延長線上で構築されるでしょう。devp2pプロトコルシリーズはEthereumファンデーションの先頭に立っていたものであり、信頼性、堅牢性、レイテンシ、モジュラリティ並びに関連するlibp2pとIPFS標準の取込みにおいて改善が見られるでしょう。
耐性を得るための付帯的な方法は以下の通りです。
- Golemネットワーク内部の署名がされていて暗号化されているメッセージは真正性を保証し、中間者攻撃や受動的なデータ収集を防ぎます。
- 最低限の権限だけを持ち外部ネットワーク接続のない隔離環境で計算を行います。
- ホワイトリストとブラックリストのメカニズムにより、プロバイダは信頼あるネットワークを構築し、信頼している開発者が用意したアプリケーションだけを動かすことができます。
- 評価システムは悪意あるノードを検出し鎮静化する手助けをします。さらに、評価システムは安全かつ効率的で正しいタスクルーティングを補助する指標を評価します。
- アプリケーションレジストリとトランザクションフレームワークは、参加のインセンティブを与え、参加の経済的コストや計算コストを導入し、最適な接続を維持するための評価に係る指標を提供することで、シビルアタックやホワイトウォッシング攻撃(筆者注:悪評のついた攻撃者が、新たなアイデンティティでシステムに再度参加し悪評をリセットする行為)を抑制します。
- Ethereum統合とトランザクションフレームワークは決済ベースのセキュリティメカニズムのカスタムを可能にします。一例として、エスクローや預金、保険、監査証明などが挙げられます。
- リリースされる度に、セキュリティ監査が外部委託業者によって行われます。
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